以前から子どもが「行きたい!」と言っていた、プログラミング教室。
我が家では冬休みを利用して、いくつか体験に参加してきました。
小学校でのプログラミング学習に関して、今後どのように進められていくのか、ずっと疑問に思っていたのですが、今回色々な教室で説明を聞き、わかってきたことがありました。
その体験を基にして、私なりに調べた結果も加え、今回の記事でシェアしたいと思っています。
まずは、なぜ今プログラミング教育が小学校で導入されようとしているのかについて、説明して行きたいと思います。
そのためには、2020年教育改革について触れることが不可欠ですので、以下解説します。
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2020年教育改革とは?
「プログラミング教育が始まるらしい」
「小学校で英語が教科化して、成績がつくようだ」
など、学校での教育内容が変わっていくことを聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
このような教育の大変革が行われるのが2020年。
具体的には、
①小学校において新学習指導要領が施行
→小3・小4で外国語活動が始まり、小5・小6では英語が教科化する
→プログラミング教育がスタート
②大学入試センター試験から「大学入学共通テスト」に変わる
という大きな変化が訪れようとしています。
(中学校は2021年から、高校は2022年から新学習指導要領が施行予定。)
2019年現在は移行措置期間ということになっていて、学習内容は教育委員会や学校の裁量に任され、様々な試みが行われている時期です。
どうして今、教育改革が必要なのか?
10年後、国内労働人口の49%に当たる職業が人工知能やロボットに代替される可能性がある。
(株)野村総合研究所・オックスフォード大 共同研究
2011年にアメリカの小学校に入学した子どもたちの65%は、現在は存在しない職業につくだろうと予測される。
ニューヨーク市立大学大学院センター教授 キャシー・ダビッドソン
グローバル化による外国人留学生の採用増。約3割の企業が採用を検討。
マイナビ 外国人留学生の採用状況に関する企業データより
今の小学生たちが働くようになる2030年ごろの様子を、今予測することも難しいほど、社会はものすごいスピードで目まぐるしく変化しています。
とにかく、今後はさらにあらゆる分野にAI技術が導入され、ロボット化が進み、子どもたちの職場には外国人が増えることは間違いないでしょう。
このような時代の変化に合わせて、子どもたちに求められる「時代を生き抜く力」を育むために、教育や入試に関する改革が進められているのです。
2020年教育改革の内容って?
英語
小学校での英語は、小3・小4の時に「外国語活動」が導入され、まず「聞く」「話す」という能力の育成を目指します。
その後、小5・小6では英語は「教科」として成績がつくようになります。この時点から「読む」「書く」の技能が加わり、英語の四技能をバランスよく育むことが目標になります。
中学校では新学習指導要領実施の時点から、英語の授業が英語で行われるなど、さらに四技能習得に向け教育が行われていくと見込まれています。
現在の文法中心の学習スタイルとはかなり異なった授業が展開されて行くことになります。
さらに、大学入試では2021年度より、4技能を問う民間資格の活用が始められる予定となっています。
このような英語学習の変革は、子どもたちが将来身近に存在するであろう外国人と自由にコミュニケーションしていけるようにしていくために必要なものなのです。
プログラミング教育
なぜ今プログラミング教育が小学校で取り入れられようとしているのでしょうか?
それは、これからはIT専門職に限らず、世の中のほとんどの仕事でITテクノロジーについての知識が必須なものとなっていくからなんです。
では小学校ではプログラミング言語などの専門知識を学んでいくのでしょうか?
そうではありません。
小学校のプログラミング教育は、プログラマーの育成が目的ではないからです。
小学校では、「プログラミング的思考」を学ぶことになっています。
では、「プログラミング的思考」とは何でしょうか?
ここで、文科省の出している「小学校プログラミング教育の手引き」(第2版)(2018,11)を見てみましょう。
このように、文部科学省がいう「プログラミング的思考」とは、
自分が意図している一連の活動を実現するための手順を論理的に考える力」
のことを指しています。
この思考法は、「自分の設定した目的を実現するためのプロセスを道筋を立てて考え出す力」とも言い換えられます。
単なるプログラミングの方法論を学ぶだけではなく、根本的に子どもたちの論理的思考力を鍛えていこうというのが文部科学省の教育姿勢なのだと思います。
具体的にはどのように授業が進められるの?
実際の小学校の授業内では、様々な教科学習の中でプログラミングを体験し、「プログラミング的思考」を身につけていけるようになっていくようです。
ここで注意しておきたいのが、必修化されたからといって、新しく『プログラミング』という教科が作られるわけではないということです。
そのため、教科書もなければ、評価がつくこともありません。
プログラミング教育は、算数や理科、総合的な学習の時間など、すでにある教科の中で実践されることになっています。具体的にどの学年のどの教科・単元で、どれくらいの時間数でプログラミングを扱うかは、各学校の判断に任されているとのことです。
また、プログラミング学習では、毎回パソコンやタブレットを使って勉強する訳ではないそうです。
もちろんパソコンやタブレットなどの機器を使った授業も想定されていますが、「アンプラグド」と呼ばれる機器を使わずにプログラミングを学ぶ方法もあります。
ゲーム感覚で学べる道具が様々開発されています。(今、新宿伊勢丹のおもちゃ売り場は「アンプラグド」のゲームだらけです)
紙と鉛筆を使ったり、体を動かしたりして、「プログラミング的思考」を学ぶ方法もあります。
プログラミング学習を教科の学習の中に取り入れることによって、その単元の理解が深まるなどの相乗効果も期待されています。
中学校以降はさらにプログラミング教育が深められ、高校では「情報」が必修科目として新たに設けられる予定です。
「大学入試共通テスト」でも扱われる可能性があるそうです😲
小学校での指導案はどんなものがあがっている?
様々な課題をを知識や技術を使って解決していく能力を育むためにはどのような指導が効果的なのでしょうか。
現在、学校の先生方は試行錯誤されているようです。
文部科学省の新学習指導要領では、
算数→正多角形をプログラミングをつかって描いてみる(小5)
理科→電気の性質についてプログラミングで理解を深める(小6)
などが提示されています。
その他、音楽でプログラミングにより作曲をしてみるなどの授業も考えられているそうです。
プログラミング教育の指導案については
にいくつか載っています。
ご参考にされてください。
「大学入試共通テスト」で問われるもの
以前の教育では「何を学んだか」(知識や技能)が評価の対象となっていましたが、
これからはそれだけでなく、「学んだことをどう生かして、社会に役立てられるか」に焦点が当たってきます。
すなわち、自分でどう考え、表現し、判断できるか(思考力・表現力・判断力)が重要になってくるのです。
それに伴って、大学入試も大きな変化を迎えます。
今までのセンター試験では、マークシート式&英語は聞く・読むの2技能のみが問われていましたが、
2021年から始まる「大学入試共通テスト」では、
国語・数学に記述式問題が加わり、英語は検定試験を活用して4技能の評価になります。
まとめ:今後の教育に合わせて家庭学習も変わっていく必要あり。
以上のように、これから学校教育は大きく変わっていくことになります。
確かに今のままでは、社会の変化のスピードに対応しきれず、日本は落ちぶれていく可能性も出てきます。
この教育改革の波に乗って、英語力・プログラミング的思考力等を身につけ、子どもたちには世の荒波を超えて行ってほしいですよね。
家で出来るプログラミング学習についても次回掲載予定です。
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